私、今から詐欺師になります
それはお金のためだけではないと母が言っていた。
本当にお前を愛して大事にしてくれているからだと。
そう……
そうかなあ? と茅野は首を捻る。
確かに、実家に行ったときなどは、思いやってくれるいい夫なのだが。
あれは演技だ。
普段は違う。
「誰か好きな男でも出来たのか?」
腕を組み、窺うようにこちらを見て、秀行は訊いてくる。
「は?
いいえ、全然」
「だよな」
と秀行は言った。
「だよなってなんですか~?」
と思わず、テーブルに腕をつき、身を乗り出す。
「いや、全然色気がないから。
……人妻なのにな」
と多少呆れたように言ってきた。
本当にお前を愛して大事にしてくれているからだと。
そう……
そうかなあ? と茅野は首を捻る。
確かに、実家に行ったときなどは、思いやってくれるいい夫なのだが。
あれは演技だ。
普段は違う。
「誰か好きな男でも出来たのか?」
腕を組み、窺うようにこちらを見て、秀行は訊いてくる。
「は?
いいえ、全然」
「だよな」
と秀行は言った。
「だよなってなんですか~?」
と思わず、テーブルに腕をつき、身を乗り出す。
「いや、全然色気がないから。
……人妻なのにな」
と多少呆れたように言ってきた。