COOKING GIRL. (完)


「む、昔から料理は好きで。夕食とか、おばあちゃんに振る舞ってたりしてた

の。そしたらある日、おばあちゃんに、


「ゆらの料理はもっといろんな人に食べてもらいたいなぁ。私だけ良い思いし

て、ちょっと罪悪感があるよ。」


なんていってくれて。それが嬉しくて、料理人目指してみようって思ったん

だ。」




そう、そうなの。おばあちゃんに、そんなこと言われて。

自信がついて料理人を目指そうって思ったんだ...。


チクリと痛む胸に、違和感を覚えながらも、笑った。




「そうなんだー。」

「ゆらちゃんのおばあちゃんに会ってみたいかも。」



みんな納得した感じで、また弁当を食べ始めた。

だけど...泉はさっきよりも、探るような目で私を見ている。

ドクッと心臓が音をたてた。



...疑ってる?

< 32 / 248 >

この作品をシェア

pagetop