COOKING GIRL. (完)
「む、昔から料理は好きで。夕食とか、おばあちゃんに振る舞ってたりしてた
の。そしたらある日、おばあちゃんに、
「ゆらの料理はもっといろんな人に食べてもらいたいなぁ。私だけ良い思いし
て、ちょっと罪悪感があるよ。」
なんていってくれて。それが嬉しくて、料理人目指してみようって思ったん
だ。」
そう、そうなの。おばあちゃんに、そんなこと言われて。
自信がついて料理人を目指そうって思ったんだ...。
チクリと痛む胸に、違和感を覚えながらも、笑った。
「そうなんだー。」
「ゆらちゃんのおばあちゃんに会ってみたいかも。」
みんな納得した感じで、また弁当を食べ始めた。
だけど...泉はさっきよりも、探るような目で私を見ている。
ドクッと心臓が音をたてた。
...疑ってる?