COOKING GIRL. (完)
え...今、なんて。
脳内を駆け巡る嫌な記憶が一気に沸き上がる。
また、されるの?
また...あんな、ことに...。
男達が近付いてきて、私の顔をジロジロ見た。
「結構イケてるね。長原さん、ほんとに警察にバレないように
してくれんの?」
男の人が私の頬を撫でた。ビクッと身体中に寒気がはしる。
いや、だ。怖い。怖いよ。
「もちろんだわ。報酬もだすわよ。お父様に頼んでるからねー...フフ、
こんなきったない娘なんて泉様すぐに嫌になるわ。あんたみたいなやつ、
所詮遊びなのよ。」
所詮遊びなのよ?何の話をしてるの...
そう、聞こうと思ったとき。
「むうっ...んー...!」
男の人がいきなり顔を近づけてきたと思ったら...
生ぬるい感触が体をさらにこわばらせる。
キ、ス...
いやだ、気持ち悪い。
やめて、やめて。
「あはっはっ!もっとやっていいわよ!ほら、あんた達も!」
他の男たちは服を脱がせ始めた。
...イヤだ。また、される。
あの地獄の日々が、また...。