この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
「まったく、なんで俺が1年の教室に、おまえを迎えに行かなきゃいけないんだ」
「~~~」
私とセンパイは図書室に来ていた。
なぜかわからないまま、私はセンパイに怒られている。
「タロー、ヒゲジローのワクチンのことで話があるからって、猫おばさんが言ってたぞ」
「あ、ワクチン、そうだ……」
「まったく、ヒサがぜんぜん図書室に来ないから、結局迎えに行く羽目になった」
「……」
無言の私に、センパイがチラッと見た。
「……センパイ、忙しいから邪魔しちゃいけないと思って……」
「何言ってんだよ。
今まではそんなことおかまいなしに、マシンガンのようにしゃべり倒してたくせに」
「~~~」
それは……あの時までは、まだ自分のセンパイへの気持ちも不明確であって……ブツブツ……。
「何ブツブツ言ってんだ」
「……」
また怒られた……。