この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
「……センパイ、元気そうでよかった」
「……あぁ」
「けど、相変わらず忙しいんでしょ?
学園祭のこととか……」
「あー、そうなんだよなー」
センパイはそう返事をしながら、大きく伸びをした。
「もう何度話し合っても、いい案が出てこない。
ありきたりの学園祭になっちゃうんだよな」
「それじゃ駄目なの?」
「駄目ってことはないけどさ。
なんていうか……夢の1日にしたいんだよ」
「夢の1日?」
「あぁ、毎年のようにみんなで力を合わせて屋台をやったり、それもいいと思う。
でもそれだけじゃなく、忘れられない1日。
夢のような1日。
そう思える何か……」
「……」
夢のような何か……。