この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
「ヒサ!」
「キャー! ヒサー!」
ひんやりとした空気。
頬に落ちる水滴で、無くした意識が戻る。
揺れる体に気付き、目をそっと開けると、優也センパイの顔が見えた。
「……センパ……イ……?」
「ヒサ、大丈夫か!?」
センパイが顔をのぞき込む。
「ん……」
「熱中症かな、相当暑かったから……。
今、保健室向かってるから」
「……ありがと……もう大丈夫……歩ける」
センパイに抱えられていることが恥ずかしくて、下りようと体を無理やり動かす。
「バカ、無理すんな、もうすぐ保健室だから」
そう言うと、センパイはギュッと手に力を込めた。