この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。




「あーいたいた、ヒサー」




「奈々ちゃん」





落ち葉を舞いちらし、走って来たのは田辺さんだった。


学園祭以来、意気投合して、今ではよく一緒にいる。






「図書室に居ないから、もう帰っちゃったのかと思った」



「うん……」


私は奈々ちゃんの言葉にうつむいた。






「どうしたの?
あ……生徒会長に会いづらい?」



奈々ちゃんが何か言いたそうに、ニヤッと笑う。




「まぁねー」





「本当にあの時のヒサは、シンデレラだったもんねー。
生徒会長がヒサを連れて校庭に出て来た時の、あの悲鳴にざわめき……。
すごかったよねー」




< 155 / 328 >

この作品をシェア

pagetop