この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
「あーいたいた、ヒサー」
「奈々ちゃん」
落ち葉を舞いちらし、走って来たのは田辺さんだった。
学園祭以来、意気投合して、今ではよく一緒にいる。
「図書室に居ないから、もう帰っちゃったのかと思った」
「うん……」
私は奈々ちゃんの言葉にうつむいた。
「どうしたの?
あ……生徒会長に会いづらい?」
奈々ちゃんが何か言いたそうに、ニヤッと笑う。
「まぁねー」
「本当にあの時のヒサは、シンデレラだったもんねー。
生徒会長がヒサを連れて校庭に出て来た時の、あの悲鳴にざわめき……。
すごかったよねー」