この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
涙のクリスマス
あれからもう3週間が経っていた。
街並みは一気にクリスマスに変わり、イルミネーションが輝き出す。
やわらかいオレンジ色のライトに包まれた街。
ショッピングモールでは、可愛らしいオーナメントやキャンドル、お菓子が並ぶ。
学校でもクリスマスのことでみんなは盛り上がり、周りは浮足立つ。
名門校とはいっても、普通の高校生で、クリスマスを心待ちにしている感じが、私はとても好きだった。
図書室から見る2本の大イチョウも、どんどん黄色い葉を散らせている。
葉が落ちた裸になった枝が、どんどん上へ上へと伸びている気がする。
夏が苦手な私は、この季節の雰囲気が大好きで、恋人たちが寄り添い歩く姿を見るのがとても好きだった。
いつか自分も……なんて、憧れて……。