この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
奈々ちゃん一家は、みんな美人さんなんだなぁ……と思いながら、私は2人のやりとりを見つめた。
「2人でシェアするんでしょ?
一皿で……」
「1人一皿!」
「別々で!」
叔母さんが言いかけたのと同時に、私たちがハモる。
「ぷっ……」
顔を見合わせ笑った。
天井の大きなファンが回る。
店内の温かい風が、ふんわり動くのを感じた。
「……やっぱり、この指輪センパイに返した方がいいのかな……」
「どうして?
せっかく生徒会長からもらったんでしょ?
そんな大切な物、返さなくたっていいじゃない」
奈々ちゃんは、パンケーキを頬張りながら言った。