この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
「えーと……どちらの指輪でしょうか?」
レンガ造りのお城のような建物。
大きなアーチ型の重い扉を開けた。
中学生の私じゃ、場違いなのはわかってる……。
私なんかじゃ手の届かないジュエリーショップに、勇気を振りしぼって入店すると、そこは魔法の国のよう。
キラキラ輝く宝石が、あれもこれもと手を伸ばしたくなるように、綺麗に陳列されていた。
その眩しさに、一瞬立ちくらみを起こしそうになる。
目をパチパチさせ、声をかけられた店員さんの方を見た。