この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
「まさかー瀬戸くんのお母さんが、優子先輩だったなんてー」
ママはそう言いながら、センパイのお母さんに紅茶を出した。
「本当に。
私もびっくりしたのよ。
柏木緋沙さんて聞いて、まさか……って」
センパイのお母さん、すごく綺麗で……。
センパイはお母さん似なのかも……と思わせた。
「同じ学校っていうのは知ってたけど、優也くん3年生だし、生徒会長だし、うちの子と仲良くなってたなんて、もうビックリで」
「……」
仲がよほど良かったのか、ママの嬉しそうな顔が絶えず、楽しそうに話している。
センパイのお母さん、何しに来たんだろう……。
私は無言のまま、ズズッとお茶を飲んだ。
まさか……
センパイの家に通い過ぎて
『お宅の娘さん迷惑なんですよ!』とか言われるのかな……。
そんなこと考え始めたら、一気に体が汗ばんだ。