この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
「そこの2人!何してるの!?」
突然、大きい声が私たちに降りかかった。
「うえっ!担任、大森~~」
聞こえないように、友達が私に耳打ちする。
「居ないと思ったら、何をトロトロ歩いてるの!?
早く教室に戻りなさい!」
「はーーーーい」
私たちは声を揃え、小走りに教室に戻った。
「柏木さん!」
びくっ
「はいい!」
後ろから呼び止められ、背筋が伸びた。
「これ!
図書室に生徒手帳落ちてたわよ」
「あっ!」
「まったく、入学式前に図書室で寝るなんて、そんな生徒初めてよ。
前代未聞だわ!」
「……スミマセーン」
「ヒサ行こ!」
友達がぐいっと、私の手を引いた。
「あんな言い方ないじゃんねー」
コソコソと、大森先生に聞こえないように話す。
「やっと全員揃ったわね。
では、これから今後の話をします。
しっかりメモとるように!」
教室に、大森先生の声が響いた。