この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。



目の前の診察室のドアが開き、看護師さんが出て来た。







その奥に、センパイの姿がチラッと見えた。










「センパイ!」



私は思わず叫び、ドアに手をやった。









「柏木!」




後ろにいた先生が、私の肩を掴んだ。









「まだ、行くな」






「どうして……」





センパイの元気そうな顔が見えたのに……。





センパイに会いたい……。








私は先生の手を払い、診察室のドアを開けた。






「柏木!」







私を止める、先生の声が背後で響いた。








< 261 / 328 >

この作品をシェア

pagetop