この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
目の前の診察室のドアが開き、看護師さんが出て来た。
その奥に、センパイの姿がチラッと見えた。
「センパイ!」
私は思わず叫び、ドアに手をやった。
「柏木!」
後ろにいた先生が、私の肩を掴んだ。
「まだ、行くな」
「どうして……」
センパイの元気そうな顔が見えたのに……。
センパイに会いたい……。
私は先生の手を払い、診察室のドアを開けた。
「柏木!」
私を止める、先生の声が背後で響いた。