この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
そして、ここへ通う理由はもう1つ……。
「優也センパイ!」
私は大きな声で、センパイに声をかけた。
「しーーー!
図書室で大声は禁止!」
「あ……」
そうセンパイに言われ、急いで口をふさぐ。
「ヒサ元気だなー」
センパイがクスクスと笑った。
図書室を入って左奥。
本棚と本棚に囲まれ、まるで個室のようになったその場所に、優也センパイは居た。
個室のように本棚に囲まれていても、ちょうど角になったその場所は、全面ガラス張りになっていて外の景色はよく見える。
もちろんあの2本の大イチョウも……。
机には、食べかけのサンドイッチや菓子パン、そして広げられたノートと参考書。
「……お昼とりながら受験勉強?」
その様子を見て、私は声をかけた。
「ん?あぁ、時間ももったいないしな。
それに、ここなら何かあってもすぐ生徒会室行けるし」
「そっか……」
確か、遠い大学受けるって言ってたっけ……。