この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。



「でも、ヒサちゃんと出会って、あの子ずいぶん変わったわ」






「……」







「生徒会長として、今年の学園祭はいい仕事が出来たって喜んで……」







「……」







「ヒサちゃんと出会って、ヒサちゃんにこんなに想われて……。
あの子は幸せだと思うわ」









「……っ……」









「……でもきっと、あの子は自分のことより、ヒサちゃんの幸せを願うはずだから……」






お母さんはそう言って笑うと、ソファから立ち上がり、長い廊下を歩いて行った。










「……」








私の幸せを願う……?









遠まわしに




"優也を忘れて"






そう言われているようで……。





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