この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
「センパイなんだか忙しいね……。
学校も生徒会も受験勉強も……。
体、壊さないでね……」
「あぁ、サンキュ」
この図書室の一角は、センパイだけの場所になっていた。
「ヒサは、またイチョウを見に?」
「うん、それもあるけど……」
「あるけど?」
私はその続きを言いかけて、止めた。
「……だってー、大森先生ずっと教室に居るんだもん。
せっかくの昼休みなのにー」
「あーあの人は、弁当も教室で食うんだよな。
教室大好きって有名ー」
「もーー息が詰まる~」
「あはは」
私の言葉にセンパイが笑う。