この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。


「センパイなんだか忙しいね……。
学校も生徒会も受験勉強も……。
体、壊さないでね……」



「あぁ、サンキュ」






この図書室の一角は、センパイだけの場所になっていた。



「ヒサは、またイチョウを見に?」


「うん、それもあるけど……」


「あるけど?」




私はその続きを言いかけて、止めた。


「……だってー、大森先生ずっと教室に居るんだもん。
せっかくの昼休みなのにー」



「あーあの人は、弁当も教室で食うんだよな。
教室大好きって有名ー」


「もーー息が詰まる~」


「あはは」


私の言葉にセンパイが笑う。






< 28 / 328 >

この作品をシェア

pagetop