この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
「ちょっとヒサ!なになになに!?
あの大森先生の態度ッ!」
「ぷっ……」
奈々ちゃんの興奮気味に驚く姿が、また笑っちゃう。
「何、資料って!?」
そう言いながら、資料の束を手に取った。
「……ヒサ、これ……」
「……うん、認知症の資料。
大森先生にも話して、協力してもらってるんだ」
「うそ……あの大森先生に!?」
「うん、そうなの。
ほら、前に言ってたじゃない。
大森先生ってちょっと変わった人だけど、教育熱心だって。
アルツハイマーという認知症のことを勉強していきたいと言ったら、色々力を貸してくれて。
しかも、案外顔も広くてね。
認知症の権威の先生とも知り合いで」
「へぇー大森先生ってすごいんだー」
奈々ちゃんは腕を組み、しみじみとうなずいた。