この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
「あ………ごめんなさい……」
私、無神経……。
くすっとセンパイが笑った。
「よく知ってんなぁ」
センパイはそう言うと、「参りました」と言いながら頭を抱えた。
「そっ、彼女と別れたから必要ないの。
それに今は、受験に集中しないといけないからな」
そう言いながら、机の上の参考書を集めた。
「……」
「それにヒサ、その指輪が欲しかったーーーって、あの店でスゴイ顔してたからな」
「えっ!?」
「今にも泣きそうな、クシャクシャな顔して」
「いやッ うそだーーー!」
私は一気に赤くなった顔を、手で覆い隠した。
センパイは大笑いしている。
「もーーー、センパイ意地悪だ!!」