この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
きっと高校受験の時そう言われていたら、すぐやめていたと思う。
私はそんな性格だった。
いたって普通で、冒険することも、頑張ることも嫌いで……。
それが今、先生、パパやママにさえ「無理しないで」なんて止められるまでになってるんだから……。
自分で自分を別人のように思う。
「ねぇ、タロー、ヒゲジロー」
私は2匹と一緒に床にゴロンと転がった。
あんなに小さかったのに、タローもヒゲジローもどんどん大きくなって……。
こうやって、元気に生きてくれていることが、とても嬉しく思う。
「サビ子、元気かね?」
私はコソッと2匹の耳元で言った。