この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
「あ!ママ見て見て!
センパイの指!」
写真に写るセンパイの……
サビ子の背中を、優しく撫でるように置かれた左手の薬指に、
あの指輪が光っていた。
「……センパイ……」
センパイがくれた、あのペアリング。
もう片方がどこへいってしまったのかと、ずっと思っていた……。
センパイ、ずっと大切にしてくれていたの?
卒業式の日、私の左手の薬指にあったあの指輪は、センパイがはめてくれたんだね……。
あの時と同じ……入学式の日、私の指にあったように……。
嬉しくて、嬉しくて……
でも
切なくて、切なくて__________……
私は写真をそっと裏返した。