この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。



「先生、午後一番の斉藤さんのご家族から連絡があって、飛行機の遅れで時間に間に合わないそうです」





「あーそうなんだ。
遠くからだもんね、大変よねー。
じゃあ別の患者さんの予定組むから、斉藤さんは間に合えば夜にでもって連絡して」




「……」




私の言葉に、ちょっと怪訝な顔をする。




「ん?何?」





「先生……たまには早く帰った方がいいですよ。
夜までスケジュール入れてたら、家に帰れなくなっちゃう……。
もう何日目ですか……」





「……そうだね、ありがと。
でも、明日以降も遠くからわざわざ私の所に来る患者さんも居るし、一日でも早く話したいって方も多いからね。
大変だけど、うまくスケジュール組んでほしいんだ」





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