この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
彼女の存在
梅雨らしい蒸し暑さ。
昨日から降り続く雨に、なんだか体もダルくなる。
昼休み、いつもの図書室、いつもの席から大イチョウを眺める。
キュキュッと雲った窓ガラスを拭き、じっと見つめた。
よしよし、今日はあの仔猫たち、入って来てないな。
ホッとすると気が緩んだのか
「ふあぁぁぁぁ」
眠気が襲う。
「デカイあくびだな」
「センパイ!」
やだ、見られてた……。
「寝不足か?」
「え」
「どうせ、昨日の猫の話をネットで調べたりしたんだろ」
「なななな……」
なんで、それを……。
「図星」
センパイはそう言うと、クスクスと笑った。
「センパイだって、いつも寝不足じゃない!
そんなことだと、病気になちゃうんだからー」
「俺は受験勉強ですから」
そう言いながら、参考書をチラッと見せた。
「~~~~~」
もうーー!