この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
「……やっぱりこの指輪、私が持ってちゃいけない気がする……」
「ヒサ、ものすごく欲しがってただろ?
もう俺が持ってても、しょうがないんだ」
「……彼女と……別れたから?」
そんなに彼女のこと……。
「また、別に好きな人が出来たら、その人にあげたらいいじゃない……」
私はセンパイを見れずにうつむいていた。
「……もしヒサは、好きな人と離ればなれになったらどうする?」
「え?」
「その人を忘れず、想い続けていられる?」
「……」
「……俺が遠くの大学に行くと知って、彼女は耐えられなかったんだよ。
離れてしまったらもう無理だって。
何年も離れて、それでもお互い忘れず好きでいる自信があれば、
きっと、彼女と別れてなかったと思う」
「________……」
私はセンパイのその質問に答えられずにいた……。
「多分もうこんな恋愛はしないかな」