この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。




「大森先生!」









はぁ




はぁ……




息が切れる。







私の呼ぶ声に驚いたように、大森先生が振り返った。






「柏木さん!?何か?」






「あ……いえ……」






見ると、大森先生の前に仔猫を抱えた猫おばさんが立っていた。







やっぱり……猫、学校に入って来ちゃってたんだ……。











「以前から言っているでしょう!?
学校の敷地内に猫を入れないように!って」






「……すみません……気を付けてたんですが……」




猫おばさんが何度も頭を下げる。








「まったく!
敷地内に糞尿でもされたら困るんですよ!
1匹入ってくれば、他の猫も集まってくるでしょう!?」






「あ……あの、大森先生……」






「なんなの?柏木さん、何か用なの!?」







「あ……いえ……」








大森先生の声が、だんだん大きくなる。

イライラしているのがよくわかる。








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