この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
「そんな泥だらけで汚らしい!」
「!」
私はその言葉に耳を疑った。
こんな小さな仔が、こんな雨の中頑張って生きてるのに……。
「ヒサ!」
優也センパイが、私の後ろから走って来た。
「大森先生どうかしたんですか?」
先生を落ち着かせようと、センパイが声をかける。
それでも、大森先生の興奮は収まる様子はなかった。
「何度も言いますけど、自分の所で飼えないのなら、行政に電話します!
早く処分してもらって!」
その言葉に私の何かがキレた。
「ちょっと!」
「ヒサ!」
私を止めようと、センパイが私の腕をつかむ。
私はセンパイの腕を払った。
「ちょっと待って!」
「柏木さん!?」
私の大声に驚いたように、大森先生も猫おばさんも一斉に振り向いた。