この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
「……ダメだった……」
「え?」
私の言葉に驚いて、優也センパイは持っていたサンドイッチをボロッと落とした。
「あ……落ちた」
「なんだよ突然」
そう言いながら、机を拭いた。
お昼の図書室。
いつもの席にいたセンパイに、かけた一言がそれだった。
「猫……3匹はダメだって……」
「ん?3匹ダメって?」
「2匹ならいいって……」
「……まぁ仕方ないよな。
それでも飼うこと許してくれただけでも、驚きだけど……」
「そうだけど、誰かひとりを置いて行くなんてできない……」
「……」
センパイは黙ってしまった。
「今朝ね、猫おばさんと話したけど、母猫は今まで外で暮らしていたから、手術して元の場所に戻しても大丈夫だろうって……。
仔猫は保護して里親を探すつもりだったらしいけど……。
でも……」
「……」
はぁ……。
センパイは大きくため息をついた。