この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
センパイのためだって、わかってる。
でも、センパイに会えないことがこんなにも辛いなんて……。
センパイに会えなかったこの数日が、とても長く感じた。
もうとっくに昼休み終了のチャイムは鳴っていた。
きっとまた大森先生に怒られる……。
センパイの側に居たい気持ちを抑え、保健室を出ると、少し離れた廊下に田辺さんが立っていた。
「……」
私はそのまま通り過ぎる。
「あきらめるつもりはないみたいね?」
通り過ぎた後ろで、そう声が聞こえた。
私はそっと振り返る。
「教室に戻るんでしょ?行きましょ」
そう言うと、田辺さんは歩き始めた。
「……」
重い空気が流れる。