Leila -ヴェルフェリア英雄列伝 Ⅱ-
3
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物音を聞いた気がして、リーラは目を覚ました。
二日前、神殿へ行ったその日、レグナムは忙しいのか、リーラの部屋に来なかった。
昨日の昼を過ぎても現れなかったので、リーラはレグナムを探しに行くことにしたのだ。
だが、王宮のどこを歩き回っても見つからず、結局疲れてしまってすこしばかり早く寝ることにしたのだ。
それが祟ってか、妙に目がさえていた。
はっきりとは覚えていないが、目覚める前に、かすかな物音を聞いた気がしている。
けれどしばらく身を起さずにじっと耳を澄ませても、何の音もしなかった。
窓の外は暗いけれど薄明るい。
夜が明けようとする、ほんのすこし前の空。
こんな時刻に誰も歩き回ってなどいないだろうし、きっと夢でも見たのだろう。
そう思って、のどが渇いていることに気が付いた。
目を上げると、寝台のそばに置かれた小さなテーブルに、クロエが用意してくれた水差しとグラスがあるのが見えた。
水を飲むため起き上がろうとしたそのとき、コツ、と小さな音が耳に届いて、リーラは動きを止めた。
物音を聞いた気がして、リーラは目を覚ました。
二日前、神殿へ行ったその日、レグナムは忙しいのか、リーラの部屋に来なかった。
昨日の昼を過ぎても現れなかったので、リーラはレグナムを探しに行くことにしたのだ。
だが、王宮のどこを歩き回っても見つからず、結局疲れてしまってすこしばかり早く寝ることにしたのだ。
それが祟ってか、妙に目がさえていた。
はっきりとは覚えていないが、目覚める前に、かすかな物音を聞いた気がしている。
けれどしばらく身を起さずにじっと耳を澄ませても、何の音もしなかった。
窓の外は暗いけれど薄明るい。
夜が明けようとする、ほんのすこし前の空。
こんな時刻に誰も歩き回ってなどいないだろうし、きっと夢でも見たのだろう。
そう思って、のどが渇いていることに気が付いた。
目を上げると、寝台のそばに置かれた小さなテーブルに、クロエが用意してくれた水差しとグラスがあるのが見えた。
水を飲むため起き上がろうとしたそのとき、コツ、と小さな音が耳に届いて、リーラは動きを止めた。