Leila -ヴェルフェリア英雄列伝 Ⅱ-



「……なるほど、待ち構えられていたということですね。両わきを神殿守りと神官で固めて逃げられないように、と」



「その通りよ」



 悪役のような笑みを浮かべたまま、リーラは身を乗り出した。



「さぁレグナム、話してちょうだい。ウィオンの情勢は今どうなってるの? 陛下を煩わせているのは一体何? マナンって何なの?」



 矢継ぎ早に尋ねるリーラの勢いに、レグナムはかるく身を引く。


口元に貼り付けた笑みが苦々しい。



「ひ、姫殿下、なんだか今日は一段とお元気ですね……?」



「えぇ、身内相手にいい子ぶるのはやめたのよ」



 これまでの慎ましやかな態度など幻であったかと思わせるほど自信たっぷりに、リーラは答えた。



「陛下が、猫かぶってないわたくしのほうがいいと言ってくださったから」



 姫ぶっていないリーラのほうがいいと、アルザが言った。


リーラにとっての正解はアルザの言葉だ。


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