先輩とわたし



授業なんてまともに受けられる状態でもなく、
ずーっと上の空で黒板に書かれる文字をひたすら見つめるだけだった



6限目の 現代文の授業。




ある有名小説家の授業だった



読んでいても右から左へと抜けていく




作品の最後に差し掛かったとき、
他の文字より太く書かれた一文


私の気持ちは一転した

ああ、そんなに簡単なことだったんだな。






「私らしく進み続ければ、生きる答えが見つかる。」








この授業を終えて、やっと目が覚めた





そうだ。

だって、私らしくないじゃないか。







1人でこうやってずっと悩み続けるのはらしくない。

思い立ったら即行動 が、私らしさだ。




分からないなら聞けばいい





簡単なことだから

迷う必要なんてもうなにもない





確かに、 橘先輩の答えを聞くのが、怖いといえば怖い
とてつもなく。


でも答えから目を逸らしても意味がないよね。



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