先輩とわたし


そんなある日、部活が終わって、帰り道

家が向かい同士ということもあって、
必然的に一緒に帰っていた


学校から家までのちょうど真ん中あたりの距離




突然、言われた




「私ね、隼人のこと、ずっと好きだったんだ。今も。」




あまりにも突然、サラッと言うものだから
驚きで声が出なかった



「返事は分かってるからいらない。じゃあ、私先に帰るね。見たいテレビあるから!」


そう言って 運動神経のいい美咲は
女子とは思えない足の速さで帰って行った




それからというものの、幼馴染だと思っていた美咲からの告白

当然、動揺しない訳がない



あからさまに、動揺していたと思う




そろそろ、きちんと話をつけないと、
返事はいらないって言われても、俺が気が済まないし....
そう考えていた頃に美咲から部活のあとに呼び出された今日。





しっかり、自分の意思を伝えた





抱きついてくる美咲を、
俺は同じように抱きしめてやることはできない

関係が壊れてしまうのはこわい

でも、大事な人だからこそ、嘘をついて付き合うなんてことはできない



俺たちは産まれた時からずっと側にいた



簡単にこの関係が崩れてしまうことがないって、俺は、勝手だけど、信じてるから。





そして、美咲の後ろ姿を見送ったあと、今に至る



< 22 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop