先輩とわたし


野球部のひとにお礼を言って早速やってきたグラウンド


「いた」




あの人の言った通り、ひとりで素振りをしている

ブゥン ブゥン と風をきる音がする





一呼吸して、背負っていたリュックの紐を両手でギュッと握った

らしくない。緊張してる。



スゥッと爽やかな夏の風を吸って
声を張り上げた





「たちば「隼人、自主練してるの〜?」







声をかけようとすると、髪の毛さらっさらの女の人が
わたしを追い越して、橘先輩の隣に走って行った





ふたりで仲良さそうに喋っている


だれ?マネージャー?同じクラスの人?
めっちゃ美人だし。髪サラサラだし。
彼女?それとも好きな人?





自分の黒いところがふつふつと湧き出てくる

女の勘とやらはよく当たる





あの女の人は橘先輩がすきなんだ。






< 5 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop