先輩とわたし
一気にテンションが下がったわたしは
もう告白する勇気も元気も0に等しい
仕方ない。今日は帰ろう。
くるりと後ろを振り返ってみると
だれかにぶつかった
「うわっ、ごめんなさい!」
顔を上げるとさっきの野球部の人が立っていた
「おう、ごめんごめん。てか隼人に用があるんじゃねえの?もう帰るの?」
「なんか美人な人と喋ってるみたいなので、出直してきます...」
そう言うと、彼は一瞬考えて、
「オーーーイ!隼人ーー!」
急に橘先輩に向かって手を振りだした
「えっ、ちょ、なにやってるんですか!?」
「シーッ。黙ってろって。俺が協力してやるから」
すると橘先輩はこっちに駆け寄ってきた
美人の人はこっちを真顔で見てる
「流星、どうした?その子は?」
「いや、この子が隼人に用があるみたいで。声掛けづらそうにしてたから俺が呼んであげただけ〜」
この野球部の人は流星って人らしい
ってそんなことはどうでもよくて!
話の話題がわたしになってる!
どうしたらいいかわからなくて
野球部にサンドイッチされたわたしは
ひとりでわたわたしていると
「どうしたの?俺になにか用?」
身長の高い橘先輩は153センチしかない私の目線に合わせて
腰を屈めて顔を覗いてきた