激しく、優しく、愛して
体育館に入るなり
壇上に立つ冬二の姿が目に入り込んだ。
「この度はご迷惑をかけて申し訳ありません。
さきほど教頭先生がおっしゃったように
急ではありますが本日でこの学校を
やめることになりました。短い間でしたが
ありがとうございました」
深々と頭を下げる冬二にざわつく生徒たち。
これで挨拶が終わりかと思ったときだった
彼は頭をあげてマイクを持った。
「最後なんで少し俺の話をします」
その一言で体育館の中は静まり返った。