激しく、優しく、愛して





「鍵…捨てたのか?」

「いや、だから……」



あの日から1度も使うことがなかった物を
ポケットにずっと入れて学校に行っていた。


嫌になって逃げ出したくなったら
ポケットに手を突っ込んでこれを握り締めた。


「…これ?」


この小さな宝物に大きな力を貰っていた。


捨てられるはずがない。




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