激しく、優しく、愛して
冬二ってこんなに頭下げられるほど
偉いのかな?なんて思ったけど
彼は会長の孫であり社長の息子だということを
思い出す。
みんなが後でヒソヒソなにか言っているのは
聞こえなくてもわかった。
それでも冬二はわたしの手を
1度も離すことはなかった。
「あれ?冬二の車?」
「あぁ、乗れ」
あぁ…久々だな…この助手席に荒い運転。
いつも通り遊んでいる片手は
わたしの頭に置かれポンポンとされる。
「少し寝てろ」
頭を触られると
眠気が来るのはどうしてだ……ろう。