激しく、優しく、愛して






「ナナ、ナッツがきれたから
買ってきてくれるかい?」


でもすぐにこの心地のいいトーンで
店はまた落ち着く空間へと戻る。


財布片手に街を歩き、あるところで止まる。

止まったのは初めてだ。



首だけを右に向けあの異様な雰囲気の
ホテル街を見つめる。


ここを通り抜けるのが近道。

そう言えば初めて体を売ったのも
ただ、近道だったここを通った時だった。




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