激しく、優しく、愛して
俺の猫
「ナナ!早くしろよー!」
外から聞こえる声を聞き流し
ゆっくり制服の袖に腕を通す。
「今日の星座占い!」
消しかけたテレビから聞こえてきた
テンション高めの声…ため息を出して消す。
数週間ぶりの制服。シャツは彼のシャツの方が
生地の手触りがよかった。
「ほら、鞄貸せ」
右手から鞄を取ると
自転車のかごに入れられる。
後ろに跨ったと同時に涼はこぎはじめる。
涼は気まぐれ。
こうやって一緒に朝行く日もあれば
行かない日もある。