サガシモノ
デート
「旧校舎かぁ」
夕方になって家に戻って来たあたしはそう呟いた。
まさか近藤先輩から教えられたのが自分が通っている高校の旧校舎だったなんて、考えてもいなかった。
「っていうか、旧校舎ってどこにあるんだろう?」
あたしが通っている新校舎の周辺にあるのは男子寮と女子寮だけで、旧校舎らしきものは見当たらない。
ヤバイ名所として知られているなら、まだ取り壊されてはいないはずだけど……。
「さっきから何をブツブツつぶやいてるの?」
リビングでホラー映画を観ながら旧校舎について考えていたあたしに、お母さんがそう声をかけて来た。
「お母さん、椿山高校の旧校舎がどこにあるかなんて、知らないよね?」
あたしの質問を聞きながら、お母さんはソファに座ってテレビのチャンネルを勝手に変えた。
さほど面白い映画でもなかったから、別にいいんだけど。
「知ってるわよ」
お笑い番組を見始めたお母さんはそう言った。
「え、今なんて?」
「あはは、この芸人さんって面白いわねぇ」
あたしの言葉なんて聞かずにテレビに夢中になっている。
「お母さん、旧校舎の場所を知ってるの?」
あたしは声のボリュームを上げてそう聞いた。
「知ってるわよ? だってお母さん椿山高校に行っていたもの」
キョトンとした表情でそう言うお母さん。
夕方になって家に戻って来たあたしはそう呟いた。
まさか近藤先輩から教えられたのが自分が通っている高校の旧校舎だったなんて、考えてもいなかった。
「っていうか、旧校舎ってどこにあるんだろう?」
あたしが通っている新校舎の周辺にあるのは男子寮と女子寮だけで、旧校舎らしきものは見当たらない。
ヤバイ名所として知られているなら、まだ取り壊されてはいないはずだけど……。
「さっきから何をブツブツつぶやいてるの?」
リビングでホラー映画を観ながら旧校舎について考えていたあたしに、お母さんがそう声をかけて来た。
「お母さん、椿山高校の旧校舎がどこにあるかなんて、知らないよね?」
あたしの質問を聞きながら、お母さんはソファに座ってテレビのチャンネルを勝手に変えた。
さほど面白い映画でもなかったから、別にいいんだけど。
「知ってるわよ」
お笑い番組を見始めたお母さんはそう言った。
「え、今なんて?」
「あはは、この芸人さんって面白いわねぇ」
あたしの言葉なんて聞かずにテレビに夢中になっている。
「お母さん、旧校舎の場所を知ってるの?」
あたしは声のボリュームを上げてそう聞いた。
「知ってるわよ? だってお母さん椿山高校に行っていたもの」
キョトンとした表情でそう言うお母さん。