サガシモノ
「あぁ、そうだったな。俺たちは先生に話を聞きに来たんだ」


思い出したように健がそう言った。


「先生に?」


「あぁ。今日は小藪先生が来てるからな」


小藪先生とはオカルト部の顧問の先生で、怖い話ならどんなことでも知っているような男の人だった。


「そっか。小藪先生なら旧校舎についてなにか知ってるかもしれないんだ!」


思わず声が大きくなってしまい、慌てて周囲を見回した。


真面目に勉強をしに来ている生徒たちが何事かと視線を向ける。


「あぁ。この学校の事だし、何も知らないってことはないはずだ」


健はそう言い、大きく頷いた。


「じゃぁ、さっそく行こう」


あたしはそう言い、立ち上がったのだった。
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