サガシモノ
「そうか……だから1人いなかったんだな」


小藪先生は呟くようにそう言って、額に浮かんできた汗をハンカチでぬぐった。


「悪いが、先生にも手に負えない」


小藪先生はそう言い、左右に首を振って見せた。


「それはわかってます。自分たちでやってしまったことだし、自分たちでどうにかしなきゃと思ってます」


陽がそう言うと、小藪先生は「そうか……」と、少し安堵の表情を浮かべた。


先生でもあの旧校舎には関わり合いたくないのだ。


それでも、オカルト部のあたしたちが勝手な行動をしてしまったため、見捨てることもできない。


「知っている事ならなんで話す。だけど、身の危険を感じたらすぐに探し物をやめて海外へ逃げるんだ」


小藪先生は真剣な表情でそう言ったのだった。
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