サガシモノ
あたしたちが知っているのは1年生の時のクラスだけなんだから、文句を言っても仕方がない。
それからアルバムを持って図書室へ移動し、手分けをして探す事になった。
長い歴史を持つ椿山高校のアルバムは気が遠くなるような冊数だった。
それでも、せめて彼等の名前だけでも知りたかった。
「どこにもいねぇな」
アルバムを半分も見終わる前に海はそう言って大きく息を吐き出した。
「ちょっと、全然調べてないじゃん」
渚が頬を膨らませて文句を言った。
「調べたって。このアルバム半分な」
「せめて一冊分くらい調べなさいよ」
海にこういう地味な作業をやらせるのは間違いだったかもしれない。
そう思った時だった。
「あ!!」
と、健が声を上げたので、2人の言い合いは止まった。
「これ、見て見ろよ!」
興奮しながらアルバムを指さす健。
4人でそのアルバムを覗き込んでみると、1年3組の教室でイジられていた男子生徒の写真が目に飛び込んできた。
「うそ、あった!?」
渚が目を見開いてそう言った。
「こいつで間違いないよな?」
健が陽に写真を見せる。
「あぁ、間違いない」
陽はそう言い、持っていたアルバムを閉じた。
それからアルバムを持って図書室へ移動し、手分けをして探す事になった。
長い歴史を持つ椿山高校のアルバムは気が遠くなるような冊数だった。
それでも、せめて彼等の名前だけでも知りたかった。
「どこにもいねぇな」
アルバムを半分も見終わる前に海はそう言って大きく息を吐き出した。
「ちょっと、全然調べてないじゃん」
渚が頬を膨らませて文句を言った。
「調べたって。このアルバム半分な」
「せめて一冊分くらい調べなさいよ」
海にこういう地味な作業をやらせるのは間違いだったかもしれない。
そう思った時だった。
「あ!!」
と、健が声を上げたので、2人の言い合いは止まった。
「これ、見て見ろよ!」
興奮しながらアルバムを指さす健。
4人でそのアルバムを覗き込んでみると、1年3組の教室でイジられていた男子生徒の写真が目に飛び込んできた。
「うそ、あった!?」
渚が目を見開いてそう言った。
「こいつで間違いないよな?」
健が陽に写真を見せる。
「あぁ、間違いない」
陽はそう言い、持っていたアルバムを閉じた。