サガシモノ
「でも、どうしてこの人だけアルバムの最後なの?」


渚が不思議そうな顔を浮かべてそう言った。


そう、その写真はクラス写真ではなく、アルバムの最後に大きく印刷されているのだ。


「ちゃんと呼んでみろ」


健にそう言われてもう一度ページを確認すると、写真の下に名前。


飯田アキラと言うらしい。


その下に享年16歳と書かれている。


「享年16歳って、高校1年生で亡くなったってこと?」


渚が聞く。


「当たり前だろ、お前頭悪いな」


海がいちいち憎まれ口を叩く。


「ちょっと待てよ、これっておかしいだろ」


アルバムを見ていた陽が眉間にシワを寄せてそう言った。


「おかしいって、なにが?」


あたしはそう聞き返した。


「死んでいるのは飯田アキラって生徒だけか?」


その質問に、あたしは顔の歪んだ3人の男子生徒たちを思い出していた。


「そっか。他の3人はどうなんだろう?」


「どっちかといえばあの3人の方が幽霊じゃん」


渚が言う。
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