サガシモノ
「じゃぁ夜中に何をしているの!?」


そう聞かれると、やっぱり答えることはできなかった。


返事ができなくてその場に立ちつくし、俯いてしまう。


「言えないような事をしてるのね?」


ため息交じりなお母さんの声。


「悪い事はしてない」


あたしはそう言うのが精いっぱいだった。


「今日はお母さんとお父さんの寝室で一緒に寝なさい」


その言葉にあたしは顔を上げた。


お母さんはまだあたしの事を睨み付けている。


「……わかった」


これ以上反抗すれば、外出禁止になってしまうかもしれない。


そう思ったあたしは素直に頷いたのだった。
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