サガシモノ
自殺
2時を知らせる時計の音が鳴り響き、いつもの時間が始まった。


あたしたちは静かに映像が流れ始めるのを待つ。


周囲は明るく、ライトを消して人影を探す。


「誰もいないな……」


健が小さな声でそう呟いた。


さっきから周囲を確認してみるけれど、人影がない。


「どこかの教室か……」


みんなで移動をして1年生のクラスを見て回る。


しかし、教室にも人はいなかった。


こんなことは初めてだ。


「一体どういう事なんだよ」


イライラしたように陽がそう言った時、足音が聞こえてきてみんな動きを止めた。


その足音はどうやら2階から聞こえてきているらしかった。


「行こう」


陽がすぐに走りはじめる。


あたしたちもその後を追いかけた。
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