サガシモノ
説明
結局、科学室でも腕時計を見つける事はできなかった。
もしかしたら、盗んだ誰かが外へ持ち出してしまっているかもしれない。
「誰かが消えちゃうのかな……」
外へ出たとたん、不意に渚がそう呟いた。
「え?」
あたしは驚いて渚にそう聞き返した。
「だって、近藤先輩言ってたじゃん。1人ずついなくなったって」
そう言う渚は青ざめていて、今にも倒れてしまいそうだ。
「そうだけど……」
「ねぇ、今日で探し物を初めて何日目になった? 結構時間経ったよね?」
あたしの腕にすがりつくようにして渚が聞いてくる。
あたしは返事ができなかった。
いつ、どんな風に人数が減って行くのかわからない。
今日は大丈夫だったけれど、明日には1人いなくなってしまうかもしれないのだ。
あたしは何も答えないまま、渚の体を抱きしめた。
あたしだって怖いよ。
栞の次にいなくなるのがあたしだったらどうしようって、不安で一杯だよ。
そんな思いで、あたしは渚の震えが止まるまでその体を抱きしめつづけたのだった。
もしかしたら、盗んだ誰かが外へ持ち出してしまっているかもしれない。
「誰かが消えちゃうのかな……」
外へ出たとたん、不意に渚がそう呟いた。
「え?」
あたしは驚いて渚にそう聞き返した。
「だって、近藤先輩言ってたじゃん。1人ずついなくなったって」
そう言う渚は青ざめていて、今にも倒れてしまいそうだ。
「そうだけど……」
「ねぇ、今日で探し物を初めて何日目になった? 結構時間経ったよね?」
あたしの腕にすがりつくようにして渚が聞いてくる。
あたしは返事ができなかった。
いつ、どんな風に人数が減って行くのかわからない。
今日は大丈夫だったけれど、明日には1人いなくなってしまうかもしれないのだ。
あたしは何も答えないまま、渚の体を抱きしめた。
あたしだって怖いよ。
栞の次にいなくなるのがあたしだったらどうしようって、不安で一杯だよ。
そんな思いで、あたしは渚の震えが止まるまでその体を抱きしめつづけたのだった。