サガシモノ
「うちの咲紀をちゃんと守れるのか?」


その質問に、健は「もちろんです」と、自信満々に返事をした。


相手は普通の人間じゃないのに自信に満ちているその表情に、思わず笑ってしまいそうになる。


「もしうちの娘になにかがあったら、絶対に許さないからな」


「わかっています」


真っ直ぐにお父さんを見てそう返事をする健。


その姿に胸の奥が熱くなるのを感じた。


不覚にも、カッコいいな。


なんて思ったりして。


「今回は君の言う事を信用することにして、目をつむろう」


仁王立ちをしたままのお父さんにそう言われ、健は深く頭を下げたのだった。
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