サガシモノ
「きゃぁ~! ひとなつの思い出ができちゃったりして!?」


盛り上がるあたしと栞に反してどんどん口数が少なくなっていく渚。


「でもさぁ、あたしたちオカルト部だよ? 最初から幽霊大好きって言ってるんだよ? そんな子がいきなりキャァキャァ言うのって、変じゃない?」


そう言われ、あたしと栞は黙り込んでしまった。


そうだった。


あたしたちは日ごろから怖い物を愛し、怖い物を見たくて活動をしているんだった。


きもだめしくらい、やって当然のイベントだ。


「ま、いいじゃん。細かいことは」


栞が料理を再開してそう言った。


「そ、そうだね。当初の目的は幽霊を見る事なんだし」


あたしはそう言い、おにぎりをお弁当箱に詰める。


ただ1人、渚だけは納得のいかない表情を浮かべてため息をついたのだった。
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