サガシモノ
☆☆☆
腹ごなしを終えたあたしたちは、旧校舎へ向かって歩き始めていた。
地蔵山までは徒歩で10分ほどだ。
真夏といえど夜中は肌寒くて、歩いていると丁度いいくらいの体感温度になって来る。
「うわ、見えて来た」
みんなではしゃぎながら歩いていた時、栞がそう呟いた。
会話が止まり、前方に見えて来た旧校舎に一瞬息を飲む。
古い木造の建物に山から伸びて来たツタが絡まり、薄暗い雰囲気を醸し出している。
「これ、雰囲気だけでも十分だな」
健がそう言い、軽く身震いをした。
強い風が吹いて、まるであたしたちの背中を押すかのように足が前に出た。
山の木々がざわめく中、旧校舎の門は大きく口を開いてあたしたちを待ち構えているように見える。
「ねぇ、これ本当に行くの?」
栞が陽の腕を掴んでそう言った。
「ここまで来たんだから、もう少し前まで行ってみよう」
陽はそう返事をして足を進める。
校舎の入り口に近づけば近づくほど肌寒さが加速していく。
腹ごなしを終えたあたしたちは、旧校舎へ向かって歩き始めていた。
地蔵山までは徒歩で10分ほどだ。
真夏といえど夜中は肌寒くて、歩いていると丁度いいくらいの体感温度になって来る。
「うわ、見えて来た」
みんなではしゃぎながら歩いていた時、栞がそう呟いた。
会話が止まり、前方に見えて来た旧校舎に一瞬息を飲む。
古い木造の建物に山から伸びて来たツタが絡まり、薄暗い雰囲気を醸し出している。
「これ、雰囲気だけでも十分だな」
健がそう言い、軽く身震いをした。
強い風が吹いて、まるであたしたちの背中を押すかのように足が前に出た。
山の木々がざわめく中、旧校舎の門は大きく口を開いてあたしたちを待ち構えているように見える。
「ねぇ、これ本当に行くの?」
栞が陽の腕を掴んでそう言った。
「ここまで来たんだから、もう少し前まで行ってみよう」
陽はそう返事をして足を進める。
校舎の入り口に近づけば近づくほど肌寒さが加速していく。