サガシモノ
違い
水原先生の意外な素顔にショックを受けていたが、今日もまた随分と前進できたことが嬉しかった。


もう少しで腕時計を探しだす事ができる気がする。


みんなでファミレスに向かい、昼ご飯を食べている時だった。


健のスマホに近藤先輩から連絡が入った。


「今からここに呼んでもいいか?」


という健の質問に、嫌がる人は1人もいなかった。


数十分後、こんがりと日焼けした近藤先輩がファミレスに姿を現した。


「やぁ、久しぶり!」


そう言って大き目のグラサンを外す。


目の周りだけ白くなっていてなんだかおもしろい。


アロハシャツに短パン姿で、すぐにでも海に行けそうな格好だ。


「先輩は夏休みを満喫してるんですね」


あたしはオレンジジュースを飲んで恨めしそうにそう言った。


「もちろんだ! 君たちも、随分と頑張ってるみたいだな」


そう言いながら、近藤先輩は開いている渚の隣に座った。


一瞬、海が嫌そうな顔を浮かべた。


しかし近藤先輩は気が付かないようだ。
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